多くの人との関わりが多様な可能性を生む畑「Bamboo Village Farm」
こんにちは!アグリトラベラーの長根です。
10月は東京都町田市で有機農業を営む竹村 庄平さんの畑「Bamboo Village Farm」に行ってきました!
もともと町田市出身の竹村さん。2014年に地元でもある町田で就農してから、今では1.3haもの畑を管理し、年間通して約50〜60品目の野菜を生産しています。ちなみに平成28年度3月の農林水産省の資料によると、東京都の1経営体当たりにおける経営耕地面積は約0.7ha。その約2倍もの面積を竹村さん一人で管理しているんです。
これだけでもすごいのに、今後はさらに面積を拡大することを考えているのだとか・・・。畑が広がれば広がるほど、管理も収穫した野菜の販売も大変です。
それでも挑戦しようとしているのはどうしてか?その秘密は、竹村さんならではのユニークな運用方法にありました。
都市農業だからこそできる「繋がる」農業
規模にもよりますが、基本的に農家さんは個人(組織)で作業をしていることが多いもの。一方で、農業を体験したい人の受け入れを前提とした観光農園なども存在します。
竹村さんは、いち個人農家でありながらも、農業や畑に興味がある人たちは積極的に受け入れて一緒に作業をするスタイル。実は、竹村さんの「Bamboo Village Farm」は日頃からたくさんの人が訪れるユニークな畑なのです。お話を伺うと、「この前は親子が来て収穫してったよ」「先日は大学生たちが手伝いに来てたんだよ」と、本当に多くの方が訪れているようでした!
また、農業体験イベントも積極的に行なっています。その取り組みもユニークで、例えば「田植えdeコンサート」と題して、作業後にミニコンサートを楽しんだりと様々なチャレンジをしているんです!
このように多くの人との関わり合いができるのも、消費者との距離が近い都市農業ならでは。農に興味がある人を巻き込みながら、みんなでBamboo Village Farmを耕していく。そうすることで多くの作物を育てられるだけではなく、Bamboo Village Farmを応援してくれるファンが増えていきます。
さらには多様な人の繋がりから、竹村さんの野菜を使ってワークショップがやりたい、マルシェで取り扱わせてほしいという声も生まれ、より多くの人に野菜を届けることができるのです!
(竹村さん)「全てを一人でやるのではなく、できることをできる人がやれば良い」
個人(組織)で完結することが多い農業で、このようにオープンマインドな考え方で取り組んでいること自体、珍しいことです。一方で、人の受け入れはデメリットになることもあります。例えばイベントをするならそのための準備が必要で、時には普段の仕事と並行して行わなければいけないことも・・・。正直、自分一人で完結できた方が作業効率が良い時だってあるはず。それでも竹村さんが人を受け入れ続けるのには理由がありました。
本当に安心・安全で美味しい「野菜」を知ってもらうために
会社員としてお勤めされているご両親のもとで育った竹村さん。竹村さん自身も、大学卒業後は企業に就職し、一時期は海外で働いていたこともあるそうです。
そんな中、自身の健康面での出来事をきっかけに、「食」や「有機農業」に興味を持ち始めます。そうして、自分自身が安心かつ安全で美味しい野菜を生産できる農家になることを決意。長野や高知での研修を経て、地元の町田市で有機農業による新規就農を実現しました。
竹村さんは身をもって食の大切さを知った経験から、多くの人に安心・安全で美味しい野菜を届けたいと生産を続けています。しかし、その価値をきちんと理解してもらうためには、消費者の意識や関心も大切。Bamboo Village Farmでは、消費者を受け入れることで食に対する意識や関心を持つきっかけも作っているのです。
また、竹村さんは「食育」や「農育」にも力を入れています。例えば農業体験のイベントをやる時は、畑や田んぼの一角を解放して子どもが自由に遊べるようにしたりと、子どもが楽しみながら自然と触れ合える工夫もしているんです。
これってすごく大切なことで、子どものうちに自然や農業に触れた経験が、大人になった時の食の関心に影響することってあると思うんです。特に自然が少ない都市部では、泥や畑で遊べること自体が貴重な体験。そんな環境で普段食べているものの生産過程を知ることは、子どもが食に興味を持つきっかけにもなります。実際にイベントでお会いした親御さんたちも、子どもにそんな経験をさせたくて参加したという方が多くいました。
日本の農業の担い手のために私たちができること
消費者との距離が近いのが都市農業の強みですが、一方で面積が限られていたり地価や諸経費が高いという弱点もあります。当然、地方で大量生産された野菜の方が、一つあたりの単価は安い。野菜の値段や量で比べたら勝負できません。
そんな中、都市農業ならではの利点を活かして農業を続けるためにどうすれば良いのか。試行錯誤しながらたどり着いたのが、現在のスタイルなのだそうです。
私はこの話を聞いたとき、とある農家さんから言われた「農業の業は”生業(なりわい)”、生計が成り立ってこそ農業と言える」という言葉を思い出しました。竹村さんも農業を”生業(なりわい)”にしようと、必死で取り組んでいるのです。
竹村さんのような志が高い若手農家さんたちは、日本の「安全・安心・美味しい」食の未来を担う大切な存在です。その方々が農業を続けるために、消費者である私たちができることもあるはず。ぜひ、生産者さんと繋がることで、美味しい野菜を購入することで応援しませんか?
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