13代続く農家を背負う覚悟とは。東京の女性農家 加藤淑子さんにタケノコ狩りを教えてもらいました!
こんにちは、アグリトラベラーの長根です!
コロナウイルスの影響でいろいろと不安も多いこの頃でしたが、ひとまずは落ち着きそうな兆しがみえてきましたね。今回の一件で、大変な苦労をされた農家さんも少なくないと思います。お互いに手を取り合って、乗り越えていきたいですね。
さて、今回は人生で初めて「タケノコ狩り」をしたエピソードと、案内してくれた東京都青梅市の女性農家 加藤淑子さんをご紹介します!実は、淑子さんのご実家は代々東京で農業をされていて、淑子さんは13代目。幼い頃は家の手伝いをしながら育ち、社会に出てからいったんは農業から離れますが、3年前に新規就農という形で農業を始めました。
作付け・収穫だけが農家さんのお仕事ではない!
当日はまず、出荷のお手伝いからスタート。作業台いっぱいに置いてあるタケノコを一つ一つ袋にいれて包んでいきます。袋詰めのお手伝いは久しぶりでしたが、改めて農家さんのお仕事は幅広いということを実感しますよね。ちなみに、この時に包んだタケノコは近所のスーパーに並ぶとのことでした。
たくさん積まれたタケノコを、軽々と持ち上げる淑子さん。「重たいから置いといていいよ〜」と気を遣ってくれたのですが、持ち上げてみると…やっぱり重たい!つくづく、農業は体力仕事だと思いますし、それを女性が仕切っているというのは頭が下がります。
出荷作業を終えてからは、淑子さんの家の裏山でタケノコ収穫のお手伝いさせてもらいました。竹は繁殖力が強い植物なので、1mに満たないタケノコでも数ヶ月すると数メートルにもなることも。数日でも収穫が遅くなってしまうとあっという間に大きくなってしまうので、収穫シーズンは本当に大忙しだそうです!
農業は体力勝負。女性農家さんは本当にすごい・・・!
早速、クワとカゴを持って山に入ります。写真では分かりにくいかもしれませんが、竹林はなかなかの傾斜で登るのも降りるのも大変でした。それに加えて、タケノコは重さがあるので一度に運べる量は限られています。日頃から竹林を登ってはタケノコを収穫し降りる、の往復だそう・・・。ちょっと登っただけでも息が上がる自分の体力に情けなさを感じつつ、淑子さんのたくましさに感服してばかりでした!
ちなみにタケノコは、地下で根っこがつながっています。その根からどういう方向に生えているか見極めるのが収穫のコツ。というのも、刃をいれるポイントがあるそうなのです。そのポイントにうまくクワをヒットさせられたら、そんなに力を入れなくてもポキっと折れてくれるのです。素人では判断するのは難しかったですが、淑子さんに教えてもらった通りにやってみると意外と簡単に収穫することができました!人生初のタケノコ狩りです!
ところで、タケノコはアク抜きが大変なイメージがありませんか?実は、タケノコのアクの強さは産地や鮮度によるそう。今回収穫したタケノコは比較的アクが少ないので、穫れたてであれば水で煮るだけですぐに食べられるのだそうです。いただいたタケノコ は、淑子さんから教えてもらった「タケノコのツナマヨ和え」の他に「タケノコご飯」「タケノコのバター醤油炒め」にして美味しくいただきました!今回は作りませんでしたが、筑前煮にしてその煮物をコロッケにするのもオススメだそうです!
伝統を守りながらも、いまの時代に合うように農業を進化させる
代々続く農家の長女である淑子さん。物心ついたときから、いずれは農業をすることを意識していたそうです。
「続いてきた伝統を自分の代で終わらせたくない。」
そんな気持ちから家業を受け継ぐことを決意していたそうですが、淑子さんのご両親は、淑子さんが農業を継ぐことにそこまで前向きではなかったそうです。農業の大変さや苦労を理解しているからこそ、農業を仕事にすることを心配していたんですね。
それでも、代々続く家業を守りたいという気持ちから就農を決意。1年目はお父さんの手伝いをしながらノウハウを学び、2年目は他農場で研修をしながらより農業への理解を深めます。そして、3年目になる今年からは、トマトやレタスなどの野菜や生花など、淑子さん独自のスタイルにチャレンジする予定だそうです。
代々続く家業を背負うというのは、半端なことではありません。今あるものを守り後世につなげる立場として、責任を感じることもあれば覚悟も必要なはずです。そのためには、ただ事業を継承するのではなく、時代に合ったスタイルを模索し挑戦し続けることが大切なのだと思います。そして淑子さんは、まさにこれから自分のスタイルを築き、続いてきた家業を守りながら次の時代につなげようとチャレンジしているのです!本当にすごい!
野菜には、生産者の数だけストーリーがある!
農家さんの取材を続けきて思うのは、一見同じようにみえる野菜や果物でも、ひとつとして同じものはありません。それは、育てる人の数だけ”こだわり”や”ストーリー”があるから。何気なく店頭に並んでいる野菜にも、多くのストーリーがあり「美味しく食べて欲しい」という生産者さんの想いが込められています。
食材を手に取る時には、ぜひ、その食材がもつストーリーに想いを馳せてみてください!同じように見える食材でも、また違った一面を見つけることできると思います。
ポケットマルシェ : https://poke-m.com/producers/18789
Facebook : https://www.facebook.com/yoshiko.kato.7965
長根汐理Facebook
https://www.facebook.com/shiori.nagane
長根汐理Instagram
https://www.instagram.com/_siostagram_/
長根汐理twitter
https://twitter.com/shiorinagane